無意識におこなっていた予祝という日本文化
みなさんは、『予祝』という言葉をご存知でしょうか? よしゅく…あらかじめ祝うという意味です。あらかじめ祝う?お祝いは何かいいことがあってからやるものでしょう?と思いますが、実は日本ではこの『予祝』が昔から行われていました。
餅花を見たことはあるでしょうか?地域で異なりますが主にお正月に飾る、木の枝に紅白の餅や団子を刺してつくったものです。
たわわに実った稲穂を模してつくり、今年一年の豊作を先に祝ってしまうことで、豊穣の実現を祈願しています。言った言葉が実現する、という言霊信仰が背景にあるのではとされています。
お正月飾りのひとつと気軽に思っていましたが、農作物の不作は死活問題だった時代の願いと知恵がつまったものだったのですね。
都内の展示会で触れる日本の文化
現在、つなぐデザインマネジメントで一緒にプロジェクトをおこなっている竹細工職人の関田徹也さんも、群馬・埼玉の農家で小正月(1月15日)に飾られる『ハナ』をつくられています。
以前、関田さんの工房へ見学にうかがった際には、たくさんの『ハナ』がところ狭しと吊るされていました。一本の木をひっかいてクルクルと削られていくさまは、思わず声を出してしまうほど不思議な光景でした。
そんな『ハナ』の展示会が石神井のギャラリーで開催されます。実演もあるようです!
ハナをめぐる旅 / 関田徹也
2019年1月19日(土)~1月27日(日)(1月23日(水)はお休み)
11:00~19:00(最終日16:00終了)
knulpAA
http://www.knulpaa.com/
トーク『ハナをめぐる旅』
2019年1月20日(日)15:00~
話し手 関田徹也
司会 町田顕彦(knulpAA)
入場無料
ご自身のおじいさんの家の神棚に飾ってあった『ハナ』をきっかけに、各地の『ハナ』の作り手を訪ねて行った関田さん。
込められた五穀豊穣という願い、作り手の減少、『ハナ』のこれまでを学んできました。今回の展示会では『ハナ』のこれからを来場の方と一緒に探していく、そんな場を目指していらっしゃいます。
関田 徹也
竹細工・木工細工職人
1983年生まれ。東京で育つ。
小学生のころから手仕事に興味を持ち、13才から竹籠を作り始める。正式な弟子入りはせず、東京、埼玉、茨城等の竹籠職人を訪ね技術を習得。2014年から本格的に活動を開始。
籠の製作と同時に現在も各地の職人を訪ね多様な技術の記録と習得そして活用の道を探っている。